数多くの世帯が一つ屋根の下で暮らすマンション。しかし「コロナ禍をきっかけに、不穏な動きが見られるようになった」と土屋氏は指摘する。

「普段から家事・育児を担うことが多い女性の場合は、掃除機や洗濯機の音、子供の声などは住人同士ある程度お互いさまとわかっているので、クレームを入れる人は少なかったです。しかし、コロナ以前は朝から晩まで仕事で、家にいる時間がほとんどなかったという働き盛りの男性が在宅ワークになったことで、日々のちょっとした生活音を煩わしく感じて、管理組合にクレームを入れてくるというケースが増えているのです。

また、おうち時間を充実させようとペットを飼う人が増えたために、『完全室内飼い』『共用部ではキャリーケースに入れるか抱きかかえなければいけない』といったルールをよく知らずに飼い始めて、周囲に迷惑をかけてしまうケースも多いようです」

居住者が互いに気持ちよく暮らすためには、ルールを守りつつ、時にはお互いさまの精神で多少の生活音などは許容し合うことが大切だ。そのためにも、集合住宅の生活環境・治安を維持管理する管理組合の存在は欠かせない。

しかし、「トラブルに対処するために正義感が暴走し、ブラック校則さながらの横暴なルールを振りかざす管理組合も増えている」(土屋氏)という。

以下、驚くべきブラック管理組合の実例を紹介しよう。