お客さんの目がいいことを祈りながらやってました

初出場時は“どぶろっくショック”。表情ひとつにこだわる職人・かが屋がキングオブコント用にネタを作らない理由_4
東京学芸大学卒で、教員免許(中学社会・公民)を持っている賀屋

——なるほど。やはり、テレビの場合は、扉があった方がいいわけですね。

加賀 ただ、最初は開き戸ではなくて、引き戸だったんです。でも、存在感があり過ぎたので、開き戸に変えてもらいました。

——引き戸だと、引く扉を収めるスペースまで必要になるから、より大がかりなものになりますもんね。

加賀 あそこまで大きいと、見ている人が期待し過ぎてしまうんですよ。あの扉をどう使うんだろう、って。でも僕らのコントでは、単なる扉以上の意味はなかったので。

——審査員の松本(人志)さんが「後半、もうちょっと詰めて欲しかった」と話していましたが、せっかくなら、もっと扉を有効利用して欲しいという意味も含まれていたのでしょうか。

加屋 それはわからないですけど、もう一つ盛り上がりがあったら、ということなんですかね。僕はあの後半も、あれはあれでおもしろいと思っていたんですけどね。

——準決勝は約1800人キャパの会場の、最後列から観ていたので、表情とかほとんどわからなくて。やはりテレビで観るコントは別物ですよね。とくにかが屋のような人の心の機微に触れるようなコントは、表情が見えるか否かは大きいなと思ってしまいました。

加賀 準決勝の会場は伝わるかどうか、ほんと不安でしたね。1800人のお客さんの目がいいことを祈りながらやってました。

賀屋 目が悪い人はちゃんと視力を矯正してきてくれ、って。

——今大会、ビスケットブラザーズが史上最高点を出しましたが、それまでは2019年のどぶろっくの480点が史上最高点だったんですよね。

加賀 あの年なら466点でも十分ベスト3圏内ですけど、2022年はほとんどの組が460点台でしたからね。3組が終わった段階で2位なんで、まあ、終わったなっていう。

——うなだれていましたか。

加賀 いや、お陰で、その後も暫定席から他の組のネタを楽しく観られました。トップのネルソンズさんはピリピリしていましたけど。残れるかどうか。僕らのせいで3位に落ちたクロコップさんは、死にそうな顔をしてました。「(滞在時間)短か……」って。

初出場時は“どぶろっくショック”。表情ひとつにこだわる職人・かが屋がキングオブコント用にネタを作らない理由_5
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取材・文/中村計 撮影/村上庄吾

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「キングオブコント2022ファイナリストインタビュー」
ビスケットブラザーズ ♯1♯2♯3
ロングコートダディ  ♯1♯2♯3
や団         ♯1♯2♯3
クロコップ      ♯1♯2♯3
コットン       ♯1♯2♯3
いぬ                              ♯1♯2♯3
ネルソンズ             ♯1♯2♯3