「僕の足めがけて鉄パイプをフルスイングしてきたんです」

静岡県浜松市のガールズバーで店長の竹内朋香さん(27)と同店従業員の伊藤凜さん(26)が「ククリナイフ」と呼ばれる特殊な刃物を持った男に刺殺された事件。現行犯逮捕されたのは、無職の山下市郎容疑者(41)。

#5では、山下容疑者が10代の頃“黒ギャング”に所属し強盗事件を起こしていたという証言や、20代の頃に投資詐欺に遭ったことに怒り狂い「殺してやる」と包丁を研いでいたといった証言を紹介した。

山下容疑者(写真/知人提供)
山下容疑者(写真/知人提供)
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そんな山下容疑者について、

「本当に上の立場の人間には弱く、下には強いという人でした。カッとなると止まらないので亡くなった女の子たちは本当にかわいそうですが、あいつならやりかねないと思いました。自分が下だと思っている人からバカにされると異常なほど怒り狂うので、女の子たちに馬鹿にされたと思えばやりかねないなと……」

と語ったのは、容疑者が20代半ばの頃に塗装会社でともに働いていたという後輩の男性だ。

「山下が27歳とかそのくらいの年齢で、僕がまだ10代の頃の話になります。その頃、袋井市内の塗装会社に勤めていて、僕の先輩が山下でした。山下は“黒ギャング”に所属してその時代に一度パクられたこともあるワル。でも、地元で有名な不良っていうのとはちょっと違くて……。

同じワルからも、『あいつは狂ってるから』と、サイコパス扱いされているタイプで、孤立している感じでした。僕とか下に見ている人間には、自分のつけているアクセサリーを見せて『これたけーやつだぞ。すげえだろ』と自慢したり、執拗に電話で飲みに誘ったりしてくるのですが、電話に出ないととんでもない剣幕で『俺の電話に出ねえとかなめてんのか。この野郎』と怒鳴り散らす感じです」

山下容疑者のキープボトル(写真/知人提供)
山下容疑者のキープボトル(写真/知人提供)

さらにこの後輩の男性は、「実は、僕自身も山下容疑者に暴行を加えられています」と打ち明ける。

「ある朝、僕が寝坊してしまい慌てて職場に行くと山下が突然、僕の足めがけて鉄パイプをフルスイングしてきたんです。痛くて立っていられず病院に行くと、足が折れていることがわかり、2カ月間の松葉杖生活を余儀なくされました。

しかし、山下は謝りもしない。それどころか、会社からは騒ぎにしないでほしいと言われましたよ。山下は前社長の息子に拾われたとかで、そういった理由で守られたのかもしれませんが……」