「テプラ」で知られる文具大手、15年ぶり赤字転落…縮小する国内市場と原価高騰に打つ手は?
ラベルライターのテプラや事務用ファイルを手がけるキングジムは、2025年6月期第1四半期を2億5200万円の営業赤字でスタートした。前年同期間は3億8800万円の営業損失であり、通期は赤字での着地だった。最終赤字となったのは15年ぶり。キングジムは原価高騰の影響も受けているが、増収に向けた具体的な絵が描けていない印象を受ける。
新たなライフスタイルに最適化しようともがいたが…
2024年9月に木村美代子氏がキングジムの社長に就任した。
木村氏は文具大手のプラス株式会社に入社後、アスクルの立ち上げメンバーとして事業推進に携わり、マーケティングトップの取締役CMOを務めた人物だ。
ヒット商品テプラの開発に携わった四代目の宮本彰氏は取締役会長となり、創業家以外が社長に就任するという異例の人事だった。
ラベルやテープに文字や記号を印刷できる電子機器の総称がラベルライターやラベルプリンター。株式会社キングジムが製造・販売しているラベルライター・ラベルプリンターの名称が「テプラ」
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新体制でスタートしたのには予兆があった。それは旧体制のもとで2021年7月30日に発表した「第10次中期経営計画」の未達だ。