ビスケットブラザーズ インタビュー #1
ビスケットブラザーズ インタビュー #3
「ツッコミの子、演技下手やからな」ってよく言われてました
――決勝2本目の『ぴったり』というネタも、1本目の『野犬』に勝るとも劣らない大爆笑を起こしていました。ファーストラウンドは1位通過だったので、ファイナルステージでは最後の登場となりましたが、まさにウイニングランのようでした。
原田 あれは今年作った新ネタだったんですけど、さらば青春の光の森田(哲也)さんにも「どえらいネタを作ったもんやな」と褒めていただきました。「見たことないネタや」って。
――ある男が好きな女性と付き合うために女装して、まずは女友達として近づくんですよね。狂気じみていながらも、男性の必死さがひしひしと伝わってきて、おかしいような、心温まるような感じになる。
きん そこの塩梅が難しいんですよね。単なる嫌がらせみたいに見られたら、笑いは起きないんで。
原田 男の方に愛がないとダメなんです。
――真っすぐな純愛物語を見ているような気持ちになりました。『野犬』も『ぴったり』も、ある意味、これだけ荒唐無稽なネタで客の心をつかむということは、構成もそうですが、やっぱり二人の演技力の賜物だという気がします。
原田 ただ、僕らの演技はリアル演技ではないんです。かなりデフォルメしているというか、アニメキャラ系の演技ですね。
――審査員長の松本(人志)さんも番組の最後に「これからは演技力も必要な時代になってきた」と総括していましたもんね。
きん でも、あの言葉自体は、僕らに向けては言ってないと思いますね。むしろ、コットンとかに対して言ってたんちゃいますか。
原田 僕らに演技力があるなんて、誰も思ってないと思います。
――確かに一見、うまそうには見えないんですけど、よくよく見ると、うまいよなって思わせる。
きん 僕は昔、「ツッコミの子、演技下手やからな」ってよく言われてました。
原田 ちょっと緩いというか、ヘタウマな感じもあって。僕は悪いとは思ってなかったんですけどね。僕がもともと役者志望だったというのもあって、ブリブリに演技するものだから、きんが余計に目立っちゃったんですよね。
きん でも、9年ぐらい前かな、僕ら二人で吉本のお芝居に出たんですよ。若手で、本気になってお芝居をやってみようみたいなプロジェクトがあって。『天使は瞳を閉じて』という鴻上尚史先生の2時間半ぐらいの作品でした。二ヶ月くらいほぼ毎日、プロの演出家の人に演技指導してもらったんです。あれで変わりましたね。
原田 僕も変わったと思いますね。ほぼゼロの状態だったんで、そっから60とか70ぐらいのレベルには結構、すぐ到達できるじゃないですか。そこから上となると、また大変だと思うんですけど。