「あそび大好き!の巻」(ジャンプ・コミックス第35巻収録)
今回は、両さんがインスタントラーメン「出前一丁」(日清食品が1968年から販売している袋麺)で食事を摂る話をお届けする。
本作が描かれた1983年は、休日ともなれば近所の飲食店の出前を利用できずに、現代のようなフードデリバリーサービスもなかった。それゆえ、派出所に備蓄されたインスタントラーメンに頼るしかなかったわけだ。
そもそも、インスタントラーメンは、日本人にとっては極めてなじみ深い食べ物だ。
インスタントラーメンについては明日7月8日に詳しく述べるとして、まずは、ラーメンとは何かを、ラーメンの歴史についてたどりながら触れておきたい。
ラーメンのルーツは、江戸時代から明治時代にかけてもたらされた中国の麺料理にある。小麦粉に「かん水(アルカリ塩水溶液)」を加えた麺が特徴で、日本ではこれに醤油や味噌、鶏ガラ、鰹節などのスープが組み合わされ、独自の進化を遂げてきた。
その後、港町にできた中華街から全国各地に広まり、第二次世界大戦後には中国からの引き揚げ者による屋台ラーメンが台頭。さらには1958年の「即席ラーメン(インスタントラーメン)」、1971年の「カップラーメン」の発売などを経て、ラーメンは「国民食」とでもいうべき食品になっていった。
ちなみに、「ラーメンの日」とはラーメン産業の振興・発展とともに、日本独自のラーメン文化を支える一般社団法人日本ラーメン協会が制定したものだ。「7」を「レンゲ」に、「11」を2本の「箸」に見立てたもので、ラーメンを最初に食べた人物とされる水戸藩主である水戸黄門こと徳川光圀の誕生日から決められたという。
それでは次のページから、ラーメンではじまる両さんの一日をお楽しみください!!