医療系の求人サイトに登録したら…
――パイレーツ解散後は俳優業をメインに活動し、いまは歯科助手として週5日働かれているそうですね。どんな経緯で現在のセカンドキャリアに至ったのかとても気になります。
西本はるか(以下、同) もともと女優になりたくて芸能界に入ったので、解散後は役者としてがんばっていこうと思っていました。ただ、ドラマや舞台でいろいろな役をやらせてもらえたんですけど、だんだん仕事は減っていってしまって。
それで、私が20代後半から30代前半ぐらいのときに芸能界で資格ブームみたいなのがあって、仕事に繋がるかもって、友達と一緒にいくつか取得したんですよ。ヨガインストラクターとか野菜ソムリエ(ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター)とか。あとは紅茶を美味しく入れる資格みたいなのも取りましたね、それは正式名称忘れちゃったんですけど(笑)。
――ヨガインストラクターの仕事は、芸能人のセカンドキャリアとして合っていそうですよね。当然ヨガの先生も選択肢にあったんですか?
それが全然なかったんですよ。実は資格を取得できるコースを受講している途中から、ヨガの先生は合わないなぁって気づいちゃって。
資格取得コースの高いお金を前金で払っちゃってたんで、一応最後まで受講してヨガインストラクターは取ったんですけど、お客さんに「吸って~~、吐いて~~」って言いながらだと自分の呼吸は大変だし、教える側は癒されないなって(笑)。
――そんな紆余曲折を経て、いまは取得している資格とまったく関係のない歯科助手としてキャリアを積まれています。歯科助手を選んだきっかけは?
芸能の仕事がだいぶ減ってきてしまっていて、普通の仕事に就いてみようかなっていう時期に、最初は本当に軽い気持ちで医療系の求人サイトに登録してみたんです。
そもそも高校時代から芸能活動をしていて、一般社会の仕事の経験がほとんどなかった状態でした。以前お付き合いしていた男性がリサイクル業や遺品整理業の会社の経営者で、交際しているときにその彼氏の仕事を手伝ったりはありましたけど、自分で決めた一般の仕事に飛び込むというのは初めてだったんです。
医療業界を選んだのは特に大きな理由があったわけではなくて、どうせゼロからの未経験だからと、とりあえずダメ元で登録してみた感じ。
歯科助手にこだわりがあったわけでもなかったんですけど、そのサイトにスカウト機能が付いていて、ある歯科医院からうちで働きませんかとお誘いがあって。歯科助手には漠然とかわいらしいイメージがあったので、飛び込んでみることにしたんです。