前代未聞、コント中に23回のキス
——4番手で登場したいぬは、1本目、『夢の中で』というネタで、大爆笑をさらいました。プレスルーム内もいちばんウケていたのではないでしょうか。といいますか、1組だけ、笑いの質が違いましたよね。いい意味で、あまりにもバカバカしくて。ネタの内容の説明をするのが難しいのですが、パーソナルトレーナーと中年女性が、妄想の世界で、あるいはリアルの世界で、トレーニングをしながら、キスをしまくるというネタでした。あれを観ていて、真っ先に思ったのですが、練習のときも本当にキスをするのですか?
有馬 しますね。
——思わず数えてしまったのですが、23回もしていました。
太田 えー。そんなにしてましたか。数えたことないんで。
——前半、太田さんが夢の世界で、有馬さんの上に覆いかぶさって「拍手腕立て伏せ」(腕立ての後に1回拍手を入れる)をします。その際、うまくいかずに思わずキスしてしまう場合と、そうでない場合の両方のパターンありましたが、あそこはアドリブも入っているのですか。
太田 アドリブは一切なしです。全部、決まっているんで。でも本番、有馬が緊張し過ぎて、有馬の方から迎えにきたところがあって。
——ありましたね。唇を尖らせて「チュ~」と。
太田 そうそう。あれはミスです。ちょっと動揺してしまいました。
——でも、あの体勢でキスするのって、力加減とかすごく難しそうですよね。
有馬 拍手腕立て伏せで、おばさんが上になるパターンもあるじゃないですか。あそこは、できちゃうより、失敗してドーンってぶつかってしまう方がおもしろいんです。準決勝のとき、笑いが欲しくて、思いっきり顔をぶつけにいったら、その瞬間、口の中に血の味がぶわ~っと広がって。
広い会場だったので、お客さんには気づかれませんでしたけど、実際、口の中は血の海でした。その後、焦りまくって、めちゃめちゃ噛みました。最後の「私も好き~」というセリフも、血が溜っているので「わひゃひもふぃ~」みたいになっちゃって。