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僕らは長いこと「キモ」が強過ぎた

キングオブコント“禁断のキスネタ”で会場をわかせたいぬ。「決勝進出が決まって、尊敬するジャルジャルさんにアドバイスをもらいにいったら…」_1
いぬ。吉本東京所属。2009年結成。ネタ作り担当の有馬徹(左)と太田隆司(右)はともに宮崎県出身で、高校時代はラグビー部の同級生
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——いぬは、これまでのキングオブコントでは5年連続で準々決勝止まりでしたが、今回、初めてその準々決勝の壁を突破し、そのまま一気に決勝の舞台までたどり着きました。準決勝で足踏みする組が多い中、初めての準決勝でいきなりクリアするというのは、なかなか珍しいですよね。

有馬 僕らは毎年、1、2回戦はすごいウケるんですよ。でも、次の準々決勝になると急にウケなくなる。ネタ時間が1、2回戦は2分なんですけど(今大会から2回戦は3分に変更)、準々決勝になると急に5分と長くなるんです。僕らは瞬発力があるというか、キモおもしろいみたいな感じのちょっとふざけたネタが多くて。そのノリだと5分はきつかったのかもしれません。

——今回、その準々決勝を初めて突破した『夢の中で』というパーソナルトレーナーと中年女性の純愛物語のネタは、確かに、その瞬発力と、展開力を併せ持っていましたもんね。あれは新ネタなのですか?

有馬 今年の2月ぐらいにできました。そこからブラッシュアップしていって、ラブストーリーのような形になったのは5月くらいですかね。僕らは長いこと「キモ」が強過ぎたんです。けど、ここ最近、そこにようやく「おもしろい」の部分もついてくるようになって。

——ネタおろしの段階から今までとは違う手応えがあったのですか。

有馬 ぜんぜんウケ方が違いました。これ、もしかしたら……って。

太田 もしかしたら、今年はキングオブコントの決勝に行けるんじゃねえかって思いましたね。

——準決勝はとても広い会場でしたが、いぬの場合は、それをものともしないパワーがありましたよね。

有馬 速いテンポの掛け合いがある組とかは、広過ぎてやりにくかったでしょうね。僕らは主に動きで見せるネタだったので、そこは有利に働いたのかなという気がします。

——お客さんも笑えて笑えて仕方ないという感じでした。

有馬 ネタが終わったときは正直、トップ3に入るぐらいのウケ量があったんじゃないかと思いましたね。