ずっと松本さんの方を見てネタをやった
――決勝初出場でトップバッター。初物尽くしの登場となりましたが、普段通りにできましたか。
荒木 決勝は舞台が左右に分かれて二つあって、交互に使うんです。そうすればネタ中、逆の方の舞台で次の組のセットなどの準備ができますからね。
それで正面に設置された審査員席のいちばん右端に松本さんが座っていたんですけれども、僕らは松本(人志)さん側の舞台を使ったので、「松本さん、近っ」って思って。なので最初のセリフは、松本さんに向かって言いました。度胸試しで。
しょうた お前、すごいな。
荒木 トップバッターというのもあって、どうにでもなれぐらいの気持ちでやっていたんで。その後も、ずっと松本さんの方を見てネタをやりました。そうしたらネタが終わったあと、松本さんに「ウケてるぜーって顔がちょっと……」と苦言を呈されて。僕はそんな顔をしているつもりはなかったんですけど、たぶんそのせいだったと思います。
――クロコップのネタは、勇壮な音楽に乗せて、互いに必殺技のカードを出し合いながら、あっち向いてホイで対決するというものでした。私は後で知ったのですが、カード対決というアイディアや音楽は人気漫画『遊戯王』のオマージュだったんですね。ただ、おそらく、審査員も誰一人としてそのことには気付いていなかったですよね。
荒木 そこはわからなくても伝わるようにつくってあったので。知ってたら、もっと楽しめたかもしれませんけど、おもしろさはそんなにかわらなかったと思います。
――あまりにも音楽と動きが合ってるので、オリジナル曲なのかと思いました。
荒木 あれは『遊戯王』の中で、逆転しそうになったときにかかる音楽で、めっちゃ盛り上がるんです。だから、知っている人が見たら、テンションが上がる曲ではあるんですよ。