あの凄惨な光景は生涯忘れられない
2001年6月8日10時20分。大阪府池田市の池田消防署に「子供が背中から血を流している」と男性から第一報が入った。
その1分後、「大阪教育大附属池田小学校に刃物を持った男が侵入、多数の負傷者が出ています」と女性から第二報。10時45分には、池田消防署長が現場に到着した。のちにその惨状を記者会見でこう語っている。
「校舎から運動場に出る階段には40~50センチほどの固まった血痕があり、教室の入り口にはおびただしい血がついていた。警察が敷いた透明のビニールには生徒の血痕がズーッと続いていた。
担架で保健室に運ばれるふたりの女子が目に入った。パッと見た瞬間、これはあかんと感じました。目は閉じていましたが、ふたりともかわいらしい顔をしていました。私の孫ぐらいの歳でしょう、かわいそうでね……」
あの凄惨な光景は生涯忘れられないだろう、と声を詰まらせた。
2本の包丁で児童8名を刺殺し、15名を負傷させた男の名は、宅間守(当時37歳)。