黒い涙が流れて……
――日本で唯一の“眼球タトゥー”を入れた方だとうかがいました。
新屋敷幸嗣(以下同) それはわかりませんが、自力で調べてヨーロッパへ施術しに行ったんですけど、確かに他では聞いたことがないですね。
――日本では入れることができない眼球タトゥー。どうやって施術者を見つけたんですか?
インスタグラムで“eyeboll tatoo”を調べると、外国で入れている人が結構出てくるんですよ。
そこからいろんな人にDMを送っていたら、そのうちの2人が施術した場所を教えてくれました。1人はアメリカ人でその場所での施術費用を問い合わせたら25万円くらい。もう1人はヨーロッパの人で8万円だと。
それでコスパのいいヨーロッパに行くことにしました。
――意外とお安いですね。
そのタトゥーアーティストの方が、日本好きという理由でディスカウントしてくれたみたいですね。その仲間もかなりマニアックな方が多く、お土産に春画とか、触手が出てくるアダルトコミックを買ってきてくれと頼まれ……(笑)。その国では日本人の存在が珍しいらしく、僕のことを見るなり喜んで親切にしてくれました。
実はもう何度もそのショップに渡航していて、耳の切除(上部の外側)もそこでやってもらいました。今日はせっかく集英社のある神保町まで来たので、次のお土産にする古書を探そうと思ってます(笑)。
――仲間の方もすごそうですね。
眼球タトゥーの方も多かったですし、海外のタトゥーアーティストの中にはタトゥーだけでなく、頼んだらなんでもやってくれる方もいるみたいで……。
特に衝撃を受けたのは、耳も性器も切除している人! 両方とも根こそぎないんですよ。ミニマリストと言うんでしょうか、話を聞いたら「無駄を省きたいから」らしいです。「自分はまだ普通だな」と思いました。
――眼球タトゥーの施術はやはり大変でしたか?
施術自体は30分くらい。眼球に麻酔目薬をして、注射器でインクを注入します。注入後はしばらく横になって瞼を閉じてなじませるだけ。思ったほどの痛みはありませんでした。
しんどかったのは2日目で、まず起きたら目やにで目が開かないのに、目を濡らしちゃいけないから洗えないんですよ! 眼球が腫れてゴロゴロした異物感もすごかったです。
なかでも黒い涙が流れることには驚きましたが、視力には特に変化がなかったので安心しました。