意外な「だっちゅーの」の誕生秘話

――1998年、ネタの締めのフレーズとして使っていた「だっちゅーの」が、新語・流行語大賞を受賞するほど大ブレイクしました。ただ西本さんはもともと俳優志望だったそうですが、なぜ芸人のようにコントをしてグラドルのように露出もするという、パイレーツになったんですか?

西本はるか(以下、同)
 パイレーツってアイドルなのか芸人なのかわからないポジションだったと思うんですけど、私たち本人もわかってなくて(笑)。私はもともと女優をやりたかったのに、今思うと『ボキャブラ』のオーディションを受けさせるために、事務所の考えで急きょ、好未とコンビを組まされたのかなって。

だからバラエティ番組でネタをしたり「だっちゅーの」を求められたり、ほかの芸人さんたちと一緒に営業に回ったりしていて、“私なにをやってるんだろう?”って疑問に思ったことは何度もありました。

元パイレーツの西本はるか氏
元パイレーツの西本はるか氏
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――「だっちゅーの」でブレイクしたのも、もともと望んでいた路線ではなかった、と。

そうですね。売れたのはもちろんうれしかったんですけど、ああいう形で有名になることは全然想像してなかったので。もともと「だっちゅーの」は、私と好未が普段から口癖みたいに「だっつーの」ってしゃべってたのが元なんですよ。

で、それを知った『ボキャブラ』の放送作家さんが、ネタの最後に胸を強調して「だっちゅーの」をするっていうのを考えてくれたんです。正直、私たちのネタの中身っておもしろくなかったと思うんですよ。でも最後に「だっちゅーの」をすることで、なんとか成立してた感じですよね(笑)。

「だっちゅーの」を披露してくれた
「だっちゅーの」を披露してくれた

――「だっちゅーの」で“時の人”となっていた当時はどういった心境でしたか?

あの頃は若かったので“怖いものなし”って感じで調子に乗っていたと思います(笑)。

私たち2人って普通のアイドルみたいにいつもニコニコ笑っているわけじゃなくて、ありがたいことに、やる気がない感じを顔に出しても、不愛想な態度とかを面白がってもらえてたキャラだったのかなと。

『ボキャブラ』では実力のある芸人さんはスタジオのセット内に入れるけど、そうじゃないとセット外で立たされて、ガヤを飛ばすみたいな感じで収録に参加してたんです。ほかの芸人さんたちはちゃんと立っている中、私たちは疲れちゃってスタジオのセットの隅に座ってました(笑)。