日本の東証1部は、悪い意味での「終身雇用」
その「恨み」を恐れた結果「東証1部に選ばれたら落ちることはない」という状況になってしまいました。東証1部には「流通時価総額100億円以上(≒時価総額250億円以上)」という条件がありましたが、業績が悪化して株価が暴落しても降格されませんでした。なんと1/3の企業が条件を満たしていないのに東証1部に残り続けました。さらには東証1部の半分以上が業績不振を続けているにもかかわらず残り続けていたのです。
日本の東証1部は、悪い意味での「終身雇用」です。なぜ企業価値が下がっても降格されなかったのでしょう? 政治家や証券会社による「口利き」があったかもしれませんが、闇の中へ消えました…。
※ 気になった人は東証を傘下に持つ「日本取引所グループ 役員略歴」と検索して出身省庁や出身企業をご覧ください。日本の金融業界の闇が見えることでしょう。
※ 特に 2013 年頃から異常な急スピードで東証 1 部が増えました。いったい誰が 2013 年から財務大臣に君臨していたのでしょうか。気になった人は検索してください。
東証 1 部があまりにも増えすぎてしまった結果、2022年4月からの市場区分の再編が決定しました。世界中の投資家にとって非常に良いニュースだと期待されていましたが、残念ながらほぼ変わらないまま終わってしまいました。
果たして東証は本当に「プライム=最も重要な」というブランドを掲げている自覚があるのでしょうか? 数多くの投資家が東証問題を非常にネガティブにとらえています。直近10年で世界中の株価・経済が膨張しているのに東証は「時価総額250億円以上」というハードルを変えることはありませんでした。本来ならプライムの枠を500社に限定して、絶対評価ではなく相対評価を取り入れるべきでしょう。
世界の投資家の正直な意見は「時価総額500億円以下は規模が小さすぎて投資対象として見ない」です。したがって時価総額250億円というハードルそのものが時代遅れになっています。
※ 東証問題をもっと深く知りたい方は「東証、再編後も欧米遠く 日経新聞」で検索をしてください。
※本稿に記載されている数字は2021年12月末の執筆時点のものです。個別株や投資信託の具体的な銘柄を紹介していますが、買い煽りをするつもりはありません。株価は必ず上下する生き物です。
「余裕資金の範囲で投資をする」
「時間分散をして少額でコツコツ買う」
「一度買ったら20年は売らずに長期保有する」
という投資の大原則は絶対に忘れてはいけません。皆さまが投資をする際は自己責任でお願いします。
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