「組合委員長・矢島金太郎!」(集英社文庫・コミック版11巻収録)
金太郎が疑問を抱いた労働者と会社の関係
会社と組合は、世間ではしばしば対立するものとして語られる。会社は利益や経営判断を優先し、組合は労働者の立場を守ろうとする。だから春闘やストライキのたびに、「労使対立」という言葉がニュースになる。
実際、組合が会社ともめて大きな問題になった例は、これまでもいくつもあった。だが本来、会社と組合はただの敵同士で終わる関係なのだろうか。
『サラリーマン金太郎』第100話は、金太郎がこの問題に真正面から切り込む回である。
ヤマト建設の労働組合委員長に任命された金太郎。労働組合側の強い希望があっての人事だったが、これに強く反発したのがヤマトの経営陣側だ。特に、金太郎をかわいがってきた黒川社長や大和会長は烈火のごとく怒り、金太郎を会社の新人研修係からも外そうとする。
このように、組合側と会社側のいがみ合いが続くなかで、金太郎は率直な疑問を口にする。「私は組合と会社は一心同体であると考えています」「私はこれからの労働者は資本に搾取されるという被害者意識は捨てて」「いかに一緒に船を動かし荒波の中を乗りきっていくかだと思う」と。
会社と組合は、勝つか負けるかを競う関係ではない。金太郎が言いたいのは、同じ会社という船に乗っている以上、ぶつかり合うだけではなく、どう前に進めるかを考えるべきだということだろう。
だが、そんな金太郎の言葉は上の人間たちには簡単には響かない。軋轢は強まるばかりで、金太郎自身も、両者がいがみ合い続ける現状を不本意に感じている。
それでも金太郎は、「会社あっての組合であり」「お互い価値観は労使一致する」という信念を掲げ、委員長として動き出す。
果たしてこの金太郎の考えは、ただのきれいごとなのか。それとも、会社と組合のあるべき姿を突いた正論なのか。この先、金太郎がどんな答えを出していくのか。ぜひ漫画で読んでほしい。























