昭和、平成、令和と愛される本宮マンガ

本宮ひろ志氏が『男一匹ガキ大将』の連載を『週刊少年ジャンプ』ではじめたのは1968年。川端康成がノーベル賞を受賞した年。アポロ11号が月面に着陸するのは翌1969年だ。

それから半世紀が過ぎて、今は21世紀。本宮氏は今も「マンガ」に、とんでもなく大きなレガシーを残し、多くの人の人生に影響を与えている。

そもそもマンガとは、どんな表現か? 

それは「人間の欲望を全面的に肯定する表現だ」と言った人がいる。2010年に文化庁メディア芸術祭で功労賞を受賞した『モーニング』創刊編集長・栗原良幸氏の言葉なのだが、これを筆者は、つまり本宮氏の作品のことだと思っている。

その言葉はマンガの精神そのもの。それほどマンガ界にとって大きな存在である本宮マンガだが、そうした中でも、もし「あなたの一番思い入れのある、影響を受けた本宮作品をあげなさい」といわれたら、どうだろうか? とんでもない難問ではないだろうか?