「シリーズ化して続けていくなかで毎回ちょっと苦労しています」
——パンが主人公の物語といえば『アンパンマン』を思い浮かべる人も多いと思いますが、読み手の反応など、心配事も多かったのでは?
そもそも“どろぼう”のお話なので、特に意識することや心配することはありませんでした。
心配だったのは、『パンどろぼう』ってどろぼうだけど、そもそも子ども向けの絵本のキャラクターとして大丈夫かな? 受け入れてもらえるかな? ということでした。
——『パンどろぼう』の魅力はどこにあると考えますか?
(主人公が)パンに対する熱い愛があって、出会った周りの人たちを成長させていくとともに、パンどろぼう自身も成長していくところではないでしょうか。
シュールな表情や間抜けなところも愛らしく、毎回、新しいキャラクターが出てくることも魅力のひとつとして捉えていただいているのかな、と感じています。
あとは、読み進めていっても間延びしないように“おもしろい!”と思いっきり笑える、オチのようなポイントをひとつ作ることにこだわっています!
——『パンどろぼう』1作目での「まずい」のセリフと表情には、笑わせてもらいました。「まずい」を大々的に書くことに、迷いはなかったのでしょうか。
迷いはなかったのですが、ただ“気持ち悪いと思われないか?”という不安は少しありました。
しかし、日々いただくファンレターには、“パンどろぼうが大好きです”という言葉とともに、“まずい顔”のパンどろぼうの絵が添えられていることも多く、描いてよかったです。
——25年1月には『ぬりえ絵本 パンどろぼう』も発売されましたね。
当初は『パンどろぼう』という作品を一冊、世に送り出せたらいいかなと思っていました。後のことは考えていなかったので、実は、シリーズ化して続けていくなかで毎回ちょっと苦労しています。
ストーリーが浮かばなかったり、うまく下書きが描けなかったりすることはよくあります。1作目はキャラクターありきで描くことができたのですが、通常は“こんなストーリーにするなら、こんなキャラクターがいいかな”と同時に考えていきます。一人で、というよりも、編集者の方とアイデアを出し合い、頭の中を整理しながら形にしていきます。
ストーリーとキャラクターを練り始める段階から、できあがるまでに早くて半年、長くて10ヶ月ほどかかることもあります。
新たに発売された“ぬりえ”は、いつの時代も子どもたちが好きなので、編集者のみなさんから“いつか出しましょう”と提案をいただいていていた企画なんです。