会社の仕事に対する気持ち
若手において一人ひとりが最も異なるのがこの点かもしれず、もしかすると同じ会社にいる若手でもその会社の仕事の〝大変さ〞に対する気持ちが全く異なるのかもしれないと感じている。その気持ちを左右しているのは、入社前の社会的経験の程度であったり、自分の身の回りの友人・知人の動向であったりする。
学校にいながらにして社会的経験をする場が、キャリア教育やインターンシップの浸透で広がった結果として、その質にも差が生じている。
筆者は若者のキャリアや活動全般に学歴や経歴に関係なく関心を持って研究しているが、正直に言って現代の若者が学生時代に実行しているアクションのなかには、単なる〝ガクチカ〞(学生時代に力を入れたことを就活の採用面接で聞くことが多く、その略語。就活用語)で済ませるのは非常にもったいないものが存在している。
そのもったいなさは若者にとってのもったいなさでもあるが、同時に企業にとってもだ。ベンチャー企業でプロジェクトマネジャーをしていた経験がある事業領域がある新入社員に、なぜその領域で挑戦をさせてみないのか。挑戦させて挫折する経験をさせるチャンスなのに、なぜ無理に通常のローテーションに組み入れようとするのか。単なる〝ガクチカ〞だと理解してしまっているからだ。だから人事の採用担当から配属先に情報共有もしっかりされないのだ(もしくはされていても配属先の上司がたいして読んでいないのだ)。
まずは、単なる就活の材料として考えていい経験と、そうでない経験もあるということを認識していただきたい。その違いによって、会社の仕事の見え方が若手であっても全然違うという状況が顕在化しているのだ。