若手の不安や焦りは単なる〝青い鳥症候群〞か〝具体的不安″か

若手のほとんどは多かれ少なかれ不安や焦りを感じている。

ただその不安や焦りが〝モヤモヤとしたもの〞なのか、それとも〝具体的なものなのか〞という点で相違がある。

前者では、周りがホップステップしているように感じる、SNSでキャリアアップ転職した友人がいる、そういった情報が様々な媒体から否応なく入ってくるなかで、「自分は大丈夫なのか、大丈夫なはず、でも……」と思う心の揺らぎとも言える。選択の回数が多くなる職業社会で、そう感じさせられる接点が増えているのだ。

後者は、社内外で何か行動をしたうえで自分に足りないものが見えてきた、そういった「このままでは自分は〝何者か〞になれない」という不安や焦りである。少し動いた結果としてより自分の状況が俯瞰して見えてしまった結果、生じた気持ちだ。

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若手の不安や焦りが、単なる〝青い鳥症候群〞なのかそれとも行動に立脚した具体的不安なのかは相対する際の重要な視点だ。ただ、職場の上司がざっくり聞けば「めちゃくちゃ満足しています!」とか「不満は特にないです」とかで流されてしまう(満足―不満足と安心―不安はそもそも別の問題だ)。

事実、筆者が企業で管理職研修を実施した際に「部下の若手の不満の声を聞けていますか」と聞くと、多くの会社で4〜5割の管理職の方が手を挙げるのに対して、「部下の若手の不安の声を聞けていますか」と聞くと1〜2割しか挙がらない。

満足していても不安や焦りを抱えているかもという発想が乏しいかもしれないし、同時に通常の上司―部下関係や単なる1on1ではそこまで掘り下げて聞くことが難しいのだ。