サバを缶詰にするメリット

① 保存できるようにする
缶詰は、非常食にもされるように保存期間が長いことが特徴です。サバは、足の早い魚として知られますが、生を冷蔵で保管をした場合、せいぜい持つのは日程。しかし、缶詰にすれば、少なくとも3年は保存が効きます。
サバ缶がなぜ長持ちするのかというと、缶の中で完全に密封して加熱殺菌するためです。菌がいない状態で外からも入り込むことがないため、長期間保存することができます。

② 流通しやすくする
生サバは、冷蔵しないと流通が難しいですが、缶詰にすれば常温でも流通させることができます。また、缶詰の形なら効率よく箱に詰め込むこともできます。
そして、生サバの場合は骨など捨てる部分も多くなりますが、缶詰にすれば中身のすべてが可食部になるため、流通が効率的になります。

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③ 使いやすくする
生サバの場合、買ってから捌いたり、調理したりと、食べるまでに様々な工程を必要とし、手間が掛かります。これがサバ缶の場合だと、開封しさえすれば食べることが可能です。
さらには、調理をするにしても入れるだけのことがほとんどでしょう。例えば、私がよくつくる「サバ缶トマトパスタ」は、サバ缶をフライパンに開けてほぐし、トマト缶とケチャップを混ぜて加熱するだけでソースが出来上がり非常に簡単です。
生サバを缶詰に加工することで、簡単に調理できるようになり、利便性が高まります。

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サバ缶トマトパスタ
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④ 味を良くする
味付けされていない生サバを何もつけずそのまま食べても、あまり美味しいと感じる人はいないでしょう。対して、サバ缶はあらかじめ味付けがされています。また、サバ缶は製造工程の中で加熱されますが、加熱されることによる味の変化もあります。
もちろん味付けには良し悪しや個人の好みもありますが、生サバをそのまま食べるよりも食べやすい味になっていることがほとんどでしょう。

⑤ 機能性を上げる
サバ缶は製造工程の中で加熱されますが、それによりタンパク質が消化されやすくなります。脂質についても、体に良いとされる不飽和脂肪酸のEPAは、酸化しやすい性質があり、缶詰で密閉して酸素と結合しないようにすると、減らなくなります。
ここまでサバを缶詰にする意味を述べてきましたが、ほかの加工品の場合でも同じようなことが言えます。