ツナ缶を超えて魚缶ナンバーワンに…
そして、第二次サバ缶ブームといわれるのが、2016年〜2018年の頃。
2016年には、サバ缶の生産量は3万7117トンと過去最高になり、ついにツナ缶を超えて魚缶ナンバーワンの地位を築き上げます。
そしてサバ缶人気が続く中、2018年には、ぐるなび総研が選ぶ「今年の一皿」に「鯖(さば)」が選ばれます。その選定理由には、サバ缶の利便性の高さや健康効果が謳われており、サバ缶ブームの象徴としても捉えられる出来事となりました。
さらに、サバ缶人気が続く中で訪れたのがコロナ禍です。これにより、第三次サバ缶ブームが2020年頃から起きることとなります。
コロナ禍の飲食店自粛による消費減により、様々な水産物が打撃を受ける中、サバ缶にとってはこれが追い風になりました。自宅での引きこもり需要が増えると、サバ缶人気はさらに上昇していきます。比較的安価で、調理も簡単なサバ缶。美味しくて健康な食事を様々なバリエーションで楽しめる素材として、その地位を固めていくこととなったのです。
このようにして人気を高めてきたサバ缶。その理由からは、消費者側から見た水産加工の意味合いも見て取ることができます。つまり、魚は加工をすることで、美味しく、栄養価が高く、手軽に食べられる最高の食材になるのです。
サバは缶詰にせずとも食べることができます。では、サバを缶詰にするのはなぜでしょうか。ここからは、サバ缶づくりについて考える中で、魚を加工する意味を探っていきましょう。