チョコレート、麻辣、トムヤンクン…「ニューウェーブ系サバ缶」が続々!_1

ブームを超え、新たなフェーズへ

高い人気を誇る食品、サバ缶。その人気に火をつけたきっかけと言われるのが2013年に放送されたテレビ番組『たけしのエンターテインメント!みんなの家庭の医学』(テレビ朝日系列)。健康的だと番組で取り上げられると大きな反響があり、その後、サバ缶を特集する番組や記事が増えていった。サバ缶はEPAやDHAといった必須脂肪酸を多く含む食品でありながら、安くて手軽だ。美味しく食べるためのレシピも次々と誕生し、今もブームは続いている。缶詰に詳しい「缶詰博士」こと黒川勇人氏が話す。

「ここにきてサバ缶業界が新たなフェーズに突入しているんです。かつてのブームの中で、ツナ缶の売り上げを超えたこともあり、サバ缶はいまや缶詰ヒエラルキーの最上段に位置しています。定番の水煮、味噌煮、醤油煮に加え、若年層にもサバ缶の魅力を知ってもらおうと、各メーカーが続々と新商品を投入しています」 

新時代サバ缶のアイコン、チョコレート味のサバ

数あるサバ缶の中で、ひときわ注目を浴びているのが、「福乃缶 さばチョコレート風味」(岩手缶詰)。サバにチョコレートとはいったい?

チョコレート、麻辣、トムヤンクン…「ニューウェーブ系サバ缶」が続々!_2
「福乃缶 さばチョコレート風味」(岩手缶詰) ¥420前後

「キワモノだと思う人も多いでしょうが、騙されたと思って一度食べてみてください。味の土台は醤油、みりん、酒。ここにカカオの香ばしさ、ほろ苦さ、コクが加わり、思わずうなるほどの美味しさです。カレーにチョコを入れて風味や旨味を増すテクニックがありますが、まさにそれ。メキシコではモレ・ネグロ、モレ・ポブラーノというチョコレートソースがあり、鶏肉にかけて食べるくらい。チョコは上手に使えば素晴らしい調味料になるということを証明したひと缶です。これはサバ缶の大傑作! 赤ワインと合わせて味わいたいですね」

ちなみに、製造元の岩手缶詰は、東日本大震災から復興しようと立ち上げたオリジナルの洋風サバ缶シリーズ「Ça va?」で知られている。素材や味はもちろん、すっきりと洒落たデザインも引き継がれたこのサバチョコ缶、ちょっとした手土産にも喜ばれそうだ。