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富山湾から駿河湾までを走る

“(来場いただいたTJAR2022選手のみなさまへ)ちょっとハードな8日間思う存分楽しんで下さい!”

ミラージュランド園内の貼り紙に、そう記されていた。TJARの公式ホームページでかつて用いた謳い文句に引っかけた、ウィットの利いた激励メッセージである。

ここ、富山県魚津市の早月川河口から静岡県静岡市・大浜海岸のゴールまで約 415キロメートル、北・中央・南の3つのアルプスを縦走、累積標高差2万 7000メートルの道のりを8日間(192時間)の制限時間内に走破することを目指すレースは、この 2022年大会で 11回目を迎える。

距離はフルマラソン10回分。登りの高さは富士山登山7回分。ルート上で通過を求められるチェックポイント(以下CP)は30カ所。

早月川河口(スタート)―馬場島―剱岳―立山(大汝山) ―五色ケ原―薬師岳―太郎平小屋―黒部五郎小舎―双六小屋―槍ヶ岳山荘―上高地―奈川渡ダム―境峠―藪原駅―旧木曽駒高原スキー場―木曽駒ケ岳―空木岳―駒ヶ根高原―市野瀬―仙丈ヶ岳―塩見岳―三伏峠―荒川岳(前岳)―赤石岳―聖岳―茶臼小屋―井川オートキャンプ場―井川ダム―富士見峠―静岡駅―大浜海岸(ゴール)。

【全長415kmの極限山岳ラン】日本一過酷な山岳レースで大会記録を持つ“絶対王者”と実力ナンバーワンの新鋭のデッドヒート。NHKドキュメンタリー番組制作の舞台裏_1
TJARのルートMAP
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そのうちの以下のCPには通過の制限時刻が設けられていて、今大会では以下のように設定されている。

(早月川河口/スタート)(富山県魚津市)8月7日0時
・上高地CP(長野県松本市)8月9日8時
・市野瀬CP(長野県伊那市)8月11日12時
・三伏峠CP(長野県下伊那郡大鹿村)8月12日17時
・井川オートキャンプ場C P (静岡県静岡市葵区)8月14日4時
・大浜海岸(ゴール)(静岡県静岡市駿河区)8月14日24時


富士山の麓を巡るUTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)など、他のトレイルランニングの大会では設けられることが多い、主催者によるエイド(飲食物を提供する施設)やサポートはなし。自らテントを担いで縦走し、事故やトラブルにも自分で対処する。すべてにおいて自己完結を求められる。前回大会(2021年・第10回)からは、山小屋で食事を取ることや、食料を買うことが(水は除く)禁止されるようになった(つまり、山中で食べる食料は、すべて町中から自力で背負っていくことが必須となった)。