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飲み会は「逃走→捕獲」が1セット

早稲田大学探検部の田口慧さん(取材当時早稲田大5年、2023年卒)、久保田渚さん(現・成城大4年)、富田大樹さん(現・大阪大3年)の3人に探検部行きつけの居酒屋に連れてきてもらった。東京メトロ早稲田駅から歩いてすぐのところにある焼き鳥店「一休」だ。

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左から富田大樹さん、田口慧さん、久保田渚さん
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こじんまりした1階から2階へ上がると、大小3つの和室があった。祖父母の家を訪れたかのようなレトロな空間と、探検部の雰囲気が妙にマッチしていて、これが令和の風景なのか疑いたくなる。

卓上に瓶ビールが届くと、先輩である田口さんにお酌をするでもなく、乾杯をするでもなく、静かに飲み始める3人。“手酌・乾杯なし”が探検部の流儀らしい。

ビールを飲みながら田口さんが語り始めた。

「この店は探検部の入部式でよく使わせてもらっているんですが、お金を払いたくないから窓から逃げる部員もいたりして。そいつらを捕まえて保護して、金を回収するまでが飲み会の1セットなんです(笑)。

今は防犯カメラがあって窓に鉄格子もはめられてるんですけど、僕が1年のときにはどっちもなかったんですよ。もしかしたら探検部の飲み会のせいでつけられたのかもしれません」

酔いが回らないうちからパンチの効いた話が飛び出した。