教室2部屋分の広さに120人以上も集められ…

学校近隣の「放課後児童クラブ」がすべて定員をオーバーするような状態になると、「学童の待機児童」が増えることになる。
それを避けるために定員オーバーでも受け入れるか、それともそのまま「学童の待機児童」を出すかは市町村の判断次第だ。

「うちの地元の学童の選考は保育園と同じで点数制で決まるため、子どもを学童に入れられず近所の祖父母が交代で面倒を見てくれている。私は元々看護師でしたが、本格的な仕事はとてもじゃないけどできない。周囲のママ友もパートしかできていません」(静岡県在住・小学2先生の保護者)

また、学童保育の支援員側も辛い状況だ。
以下のイラストを見てもらいたい。

岸田首相の“異次元の子育て対策”はどこへ…「教室2部屋分の広さに120人の児童」「支援員の半分は年収150万円以下」児童も保護者も支援員も嘆く、学童保育の現状_2
利用児童にとっても支援員にとっても劣悪な環境になってしまっているのがよくわかる学童保育のイメージイラスト

これは関東地方のとある放課後児童クラブの2022年の状況を職員が描いたものだ。

定員の2倍を超える児童を受け入れている状況で、支援員の手が回らず「支援員と一言も話せない子どもがいたほど」だったという。この街では転入者の人口が多く、小学校は増設されたが、「放課後児童クラブ」の開設は間に合わなかった。
この「放課後児童クラブ」はすでに自治体が対応し、現在は定員超過が解消されているが、都心では同様のケースが複数あり、保護者からは不安の声があがっている。

「小学校の教室2部屋分の広さに120人以上が集められていて、まるでタコ部屋。支援員のなかにはパートの人も多い。上級生からいじめられても支援員の目が行き届かず、子どもが学童に行くのを嫌がっている」(豊島区在住・小学1年生の保護者)

「保育園だと21時まで延長保育が認められていたけど、放課後児童クラブは19時まで。共働きで通勤時間から逆算すると、19時までに迎えに行くには残業なんてできない。
21時まで預かってくれる塾も併用する民間学童が近くにあるのでそちらも利用してますが、月8~10万円もかかる。なんのために働いているのかわからない……」(豊島区在住・新小学1年生の保護者)