少ない若者が高齢者を支える構造が問題
日本においては残念ながら、今後も少子化が続くことが予想されます。でも、そもそも、子どもが減ると何が問題なのでしょうか。
「子どもが減ったって、普通に暮らせるなら別によくない?」という声が聞こえてきそうなので、少子化の具体的なリスクについて考えてみます。
まず挙げられるのが、生産力の圧倒的低下です。
当たり前の話ですが、子どもの数が減れば、それだけ人口も減っていきます。日本国内で商品を売る企業は、消費者が減れば毎年の売上も下がります。売上が下がれば、研究開発などへの投資もできず、労働者に対する給料も下がり、すべてが悪循環のまま貧乏な国へ一直線です。
すると次に、国外の企業に働き口を求め、優秀な人材が海外へ流れていきます。その結果、日本に残るのは平凡な労働者のみで、そんな日本企業に投資する海外の投資家もいなくなり、経済悪化の悪循環が始まります。やがて多くの企業が倒産し、失業者が増え、道端には路上生活者の人たちが溢れかえるかもしれません。当然、治安も悪化します。地方の過疎化がさらに進み、住民に対する基礎的なサービスの提供が困難になることもありえます。
国内の消費者が減るなら、海外市場に注力すればいいのでは? という考えもあります。現に、少子化が進むシンガポールや韓国では海外輸出を意識した経済政策がとられているので、人口が減っていても経済成長を続けています。ところが、日本においては、あまり実現性がありません。そもそもの話、日本はすでに国際競争に取り残されている状況だからです。