さくらももこ展では必見ならぬ必聴の音源も公開
――さくらさんから出てくるアイデアで印象に残っていることはありますか?
この『おめでとう』の表紙を最初は実際の富士山の写真にしようと打ち合わせしていたんです。でも別の打ち合わせをしている中でさくら先生が「これいいんじゃない」と言って、アトリエにあった小さな富士山の民芸品を手にとったんです。その場で「面白いね」という話になり、それが本当に表紙となりました。さくら先生がふと見つけたアイデアでできた表紙です。
――『ちびまる子ちゃん』での担当編集、そしてムック本『おめでとう』と、10年を経てさくら先生とお仕事をご一緒にされた中で改めてさくらももこ先生のすごさはどこにあると感じますか。
これはもう最初にお会いしたことから一貫しているのですが、さくら先生から発せられる「言葉」にある面白さです。それは漫画やエッセイなどの文章はもちろんですが、おしゃべりが本当に面白くて一緒にいて楽しい方です。知らない方もいると思うのですが、1991〜1992年にはラジオ『さくらももこのオールナイトニッポン』をやっていたくらいですから。
今、開催中の『さくらももこ展』でも、さくら先生のしゃべりの面白さをどうにかして伝えたくて。ラジオ放送を流せないかなと提案したところ、念願が叶って、展示会で当時の音源の一部を聴くことができます。そのラジオへの出演も、漫画やカラーイラスト、エッセイも、ムック本もさくら先生自身が全力で楽しんでいるところもすごく好きなところ。特にムック本『おめでとう』にはその全力で楽しんでいる姿勢があふれていた思い出深い1冊です。
【漫画】さくらももこデビュー作「教えてやるんだ ありがたく思え!」&「ちびまる子ちゃん」連載第1回目を公開(すべての画像を見るをクリック)
取材・文/上村祐子 Ⓒさくらももこ Ⓒさくらプロダクション
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『さくらももこ展』
『ちびまる子ちゃん』の作者で、エッセイスト、作詞家としても幅広く活躍した作家・さくらももこの全仕事を網羅した展示会。1月12日(土)〜12月25日(日)まで『高松市美術館』にて開催された後、横浜、静岡、神戸など全国を巡回予定。
そのほか割引制度や開館時間など詳細は公式サイトで確認を!
『さくらももこ展』公式
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