キャラクターたちに重荷を背負わせたくない

――『簡ロマ』を手掛ける上で特に意識していること、こだわっていることはありますか?

瀬森 「今描いているキャラクターたちに必要以上につらいことは起こってほしくない」というのが基本にあります。つらい作品を描きたいなら、全く別のお話で別のキャラクターで描けばいいかなという感じです。

赤原 そんな思いもあって、初期からの明るいアップテンポな雰囲気からは外れなくていいなと思っているんです。
また、脇のキャラクター含め、読者の方に嫌われてほしくないとも思っています。『簡ロマ』シリーズに登場するキャラクターは全員好きなので。全員幸せに笑っていてほしい(笑)。

5年以上続くBL漫画『簡易的パーバートロマンス』作者もハマるBLの懐の深さ_6
『簡易的パーバートロマンス』4巻 p.177 『高校生編』ラストの卒業式のシーン(左から直人、真田、カオリ ※鹿嶋の母、鹿嶋、翔)

瀬森 本当にそうですね。「今、あの子たち何をしているのかな」とすごく考えちゃうくらいみんな好きなキャラですね(笑)。

担当 現実世界において良い人しかいないことはあり得ないのですが、創作物だからこそ、そういう世界を描いていただくことにも意義があると思います。ハッピーになりたくてBLマンガを読まれる方も多いですからね。

――そういう意味では読者の方たちの反応や反響は結構気にされているのでしょうか。

赤原 「それ素敵!」と思うことはたくさんありますが、あくまでも「自分たちが描きたいもの」が1番の優先事項ですね。

瀬森 なので、読者のみなさんの要望と私たちが描きたいものが噛み合ったら最高ですね。ただ、「決めゴマはこの顔をさせよう! 私たちがこの顔を見れて嬉しいんだから、きっと読者さんも喜んでくれるはず!」と考えることはもちろんあります。

担当 いろんな意見に対してイエスマンになってしまうと、本当に描きたいことがブレてしまいかねない。意見をいただけるのは本当にありがたいですし、編集者としてレビューやSNSなどでマイナス意見を見ることも普通にあります。それはすごく勉強になりますが、その意見だけに配慮することはできない。それよりもお二人が描きたいと思うものを描いていただく方が良いと考えています。