長期連載だからこその、“整合性”を取る難しさ

――『簡ロマ』は赤原先生・瀬森先生としてもBLコミックスデビューのシリーズ作品であり、.Bloomとしても初のシリーズ作品です。長期連載をする上での大変さ・難しさを感じることはありますか?

担当 整合性を取っていくのは楽しくも大変な作業ですね。私は『簡ロマ』のほかに、別のシリーズ作品も担当しているのですが、どちらも大事なポイントには全部コミックスに付箋を立てています。
また、コミックスになる前の構成チェックの段階で、私以外の編集者にチェックを入れてもらいます。その際は整合性が取れているかの二重チェックを行っています。

瀬森 私も同じですね。過去に描いたことと同じような描写や構図が(意図的なもの以外で)あってはいけないので、何回も読み返してはチェックしています。『高校生編』では特に意図的な反復も多いため、注意していました。
例えば、3話で鹿嶋が真田に「お前さ、俺に会えて良かったよ。マジで」と言うシーンがあります。そして『高校生編』の最終話では真田が鹿嶋に「お前こそ、俺に会えて良かったっつーの。マジで……」と言う。そういった台詞を回収する作業が複数回あることは、単巻ものとは違うと思います。

5年以上続くBL漫画『簡易的パーバートロマンス』作者もハマるBLの懐の深さ_7
『簡易的パーバートロマンス』1巻 p.102 鹿嶋が真田に「お前さ、俺に会えて良かったよ。マジで」と言うシーン
5年以上続くBL漫画『簡易的パーバートロマンス』作者もハマるBLの懐の深さ_8
『簡易的パーバートロマンス』4巻 p.175 1巻の鹿嶋の台詞を真田が回収したシーン
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赤原 私としてはリクエストがあったものを描くだけなので、そこまで苦労はなく……描こうと思えば一生描けるなと思っています。

瀬森 それは本当にそうですね! ただ読者のみなさんがずっとついてきてくれるかという心配はあります。

担当 そこが難しさでもありますね。すごく新陳代謝のいいジャンルなので、作家さんも読者さんも増え続け入れ替わっていく。.Bloom作品は大体年に1回のペースでコミックス発売ということもありますし、読者さんが追いかけ続けるのも大変です。シリーズ作品とはいえ、どこで終わらせるかなど常にバランスは考えていますね。

――そういう意味では『簡ロマ』の終わりもある程度考えているのでしょうか……?

担当 これくらいの巻数で終わらせた方がよさそう、という相談はしています。キリの良さを考えると『大学生編』までかなと思いつつ、結局『高校生編』で終わらなかったわけですし、その時になってみないと分からない部分はありますね。

赤原 きっといつ終わっても、その後を同人誌で描くとは思うんですよ。『大学生編』同様「それで描くならいっそ連載を続けようか」となるかもしれないし、「いやもう、十分続けたから終わりにしよう」となるかもしれない、という感じですね。

瀬森 鹿嶋が社会の荒波に揉まれている姿を見たいとは思わないので描かない、という選択を取る可能性もあります(笑)。それこそ描きたい部分だけを描くなら同人誌の方が描きやすいので、その時になってから改めてどうしていくかを決めていきたいと思います。とはいえ、まだすぐには終わらないかなと!