万博の楽しみは「木のリングに登ること」

そんななか、約700万枚の前売り券を購入し、社員に配る作戦に出たのが万博の協賛企業だ。実際に、協賛企業で働く大阪府在住の男性(63)にも話を聞いた。

「1970年大阪万博は小学生のときに行ったんですが、暑いなかソ連館やアメリカ館に暑い中ごっつい並んで、すごいインパクトがあったんですよ。ただ当時の熱量を知ってる身からすると、今回は全然盛り上がってないですね」

それでも協賛である勤め先の会社から社員1人当たり4枚のチケットが配布されたことで、万博には行く予定だという。

「空飛ぶタクシー以外、何が展示されてるのか、ようわからないですけど。孫でも連れて木のリングの上、登ってみようかな~程度ですね」

翌日、記者も木のリングを近くで見るため、本町駅から中央線に乗って今年1月に開業した万博最寄りの夢洲駅へ。現地に着くと、会場付近にはツーリング姿の地元住民や外国人観光客の姿がちらほら。会場内は関係者以外立ち入り禁止だったが、遠目から木のリングも見え、フェンス越しにスマホや一眼レフカメラで写真撮影する人々の姿もあった。

フェンス越しに、会場へ熱い視線を送る50代の女性に話しかけてみたところ、

「木のリングの上に登って一周してみたいですよね~。どんな形になろうとせっかく日本で開幕するから行ってみたいです」

とウキウキの様子だった。住まいは横浜だが、親族が関西におり、今回出張ついでに夢洲駅に立ち寄ったという。ただ期待を寄せる一方、こんな不満も口にした。

「事前予約の手続きが煩雑すぎて途中で挫折しました。個人情報をなんであんな大量に記入しなきゃいけないんですか? 途中で手続き止まってるんで、熱量の冷めないうちに再開しようとは思いますけど…」

また仕事の都合で万博内の視察に訪れた神戸市在住の公務員の男性(59歳)にも話を聞いてみたところ、

「今年2月半ばにも仕事の都合で万博会場に視察に行ったんですが、まだ工事中やったわ」

と苦笑い。それでも万博には大きな期待を寄せる。

「会場内には異国のパビリオンがずらーっと並んでて、巨大なガンダムも飾ってあったし、はよ行ってみたいなって気持ちが高まってきてますね。

愛知万博のときも開始前は批判されてたけど、ゴールデンウィークや夏休みに入ると評判が広がって、一気に盛り上がった印象だったし、今回も始まったらどんどん盛り上がるんちゃうか? 地域の活性化にもつながるだろうし、とても期待してます」

開幕まで残り10日…開幕と同時に不穏な空気を吹き飛ばすぐらいの盛り上がりを見せてくれるかどうか、期待したい。

取材・文・撮影/集英社オンライン編集部

夢洲駅から見える万博会場のゲート
夢洲駅から見える万博会場のゲート
夢洲駅から見える万博会場の木のリング
夢洲駅から見える万博会場の木のリング