保護犬の迎え入れを考えている方に伝えたいこと

――つの丸さんはこれまでにペットショップの犬と保護犬、その両方と生活されてきていますが、なにか違いを感じることはありますか?

うちに来てからのスタートで言えば、何も変わらないですよ。さっきも言いましたけど、僕が見てきた範囲では、どんなにひどい目にあってきた保護犬でも、人間を嫌っていたり、怖がっていたりといった感じはまったくなかったです。これは声を大にして言いたいですね。

「僕は犬がノーベル平和賞をもらうべきだと思うんです」漫画家・つの丸さんに聞く“保護犬迎え入れのススメ”(後編)_2

――成長してから家に来た保護犬にトイレを覚えさせたり、しつけをするのは難しくないんですか?

これはペットショップの子も保護犬もまったく変わらないです。うちは最初にペットショップからドンを迎え入れたんですけど、むしろトイレを覚えるのはドンが一番大変でした。それに比べたら、ピートやロッコ、フー子のほうが覚えはよかったですよ。

――それは意外でした。

これはペットショップの犬だから、保護犬だからということではなくて、多頭飼いだと先住犬がお手本になるんですよ。「なるほど、あれをするとおやつがもらえるのか」っていうのがわかるので、それでトイレを覚えるのが早いというのもあると思います。

――今後、保護犬を迎え入れたいと思っている人に何かアドバイスはありますか。

よく「フレンチブルドッグって飼いやすいですか?」って聞かれるんですけど、これは非常に答えづらい質問で。だってどんな犬種でも、それがペットショップの犬だろうと、保護犬だろうと、急に病気になる可能性はあるし、ケガだってするかもしれない。ゆくゆくは老犬になるわけで、面倒も見なくちゃいけない。

だから「とりあえず生き物を飼うのは大変なんだよ」っていうのは前提としてあります。でも、保護犬だからといって身構えることはひとつもないです。

保護犬を迎え入れようとしている人は、知識だったり覚悟がある場合が多いので、そこまで心配はないと思うんです。コロナ禍でペットブームがありましたけど、そういうブームに乗って、かわいいっていうだけでぱっと飛びついちゃう人のほうが怖いですね。