ハンデのある犬を率先して受け入れる理由
――さらにフー子ちゃんは、まだ推定3歳と若いのに出産した痕跡があったとか。
そうなんです。おっぱいがビロビロで、こうなるには多分、出産は1回だけじゃないだろうって聞きました。だからフー子にはいつも、服を着せていました。悪質なブリーダーはたくさん子どもを産ませたいんで、早くから産ませるし、すぐ取り上げちゃうし。
――胸が締めつけられる思いです。
ただ、ロッコとフー子はこれまで、人間にかなりひどい目に遭わされてきたはずなんですけど、決して人間ぎらいの感じがなくて、そこはすごいなって思うんですよ。人間を恨んでいる様子がまったくなかったですから。
――つの丸さんは、片目だったり、体が傷だらけだったり、足に障がいがあったりと、ハンデのある犬を率先して受け入れているように見えますが、それはなぜですか。
保護犬はみんな何かしらのハンデがあることが多いのですが、これまで恵まれてこなかった子や、より大変な思いをしてきた子を幸せにすることに、やりがいを感じるんです。
さっきも言ったように、「よし、俺が幸せにしてやる!」の精神です。逆に、比較的幸せそうな子は、他の誰かにお任せすればいいかなって。
――そのフー子ちゃんは先月、新しい里親さんのところへ引き取られていきましたね。
寂しくないといったらウソになりますけど、里親さんのもとで誰よりも幸せになってほしいなって。娘が嫁いでいくときのお父さんと同じような気持ちですね(笑)