総合的な満足度を高められるのは熟年
話をセックススキルに戻しましょう。
中高年の体力に見合ったスキルを身につけることで、セックスの満足感も格段に向上します。また、相手への愛情や思いやりを効果的に伝えることもできます。
若い頃の血気盛んなセックスを振り返り、「何の苦労もせずに勃起して、一日何回も恋人と体を重ねていたな」「もうあんなセックスはできないのだな……」と、懐かしさと同時にやりきれなさを抱えている人もいるでしょう。
しかし、女性にとって激しすぎるセックスは、ときに「脅威」ともなります。女性のクリトリスや腟は快感を得る部位であると同時に、他者が触れることのできる「臓器」でもあります。欲望のままに腰を振るピストン、アダルトビデオを鵜吞みにしてゴシゴシと腟を指で擦ったり、激しすぎる胸への愛撫……こうした未熟なセックスを前に、「自分の体を傷つけられるのではないか?」と身構える女性も少なくありません。
もし相手が経験を積んだ女性なら、はっきりとノーを突きつけられるでしょう。一方、相手を思いやるセックススキルの備わった50~60代には、相手も安心して身を委ねられます。
たしかに筋力が衰え、体力や勃起力が低下する中高年は、若い頃のようなアグレッシブなセックスはできなくなりますが、今は必要に応じてサプリメントやED治療薬、陰圧式の勃起補助具などを効果的に用いて、衰えをケアすることができます。ですから、体力はあってもスキルが不足しがちな青年に比べ、スキルがある50~60代=熟年のほうが、総合的にセックスの満足度を高められるのです。
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