総合的な満足度を高められるのは熟年

話をセックススキルに戻しましょう。

中高年の体力に見合ったスキルを身につけることで、セックスの満足感も格段に向上します。また、相手への愛情や思いやりを効果的に伝えることもできます。

若い頃の血気盛んなセックスを振り返り、「何の苦労もせずに勃起して、一日何回も恋人と体を重ねていたな」「もうあんなセックスはできないのだな……」と、懐かしさと同時にやりきれなさを抱えている人もいるでしょう。

しかし、女性にとって激しすぎるセックスは、ときに「脅威」ともなります。女性のクリトリスや腟は快感を得る部位であると同時に、他者が触れることのできる「臓器」でもあります。欲望のままに腰を振るピストン、アダルトビデオを鵜吞みにしてゴシゴシと腟を指で擦ったり、激しすぎる胸への愛撫……こうした未熟なセックスを前に、「自分の体を傷つけられるのではないか?」と身構える女性も少なくありません。

女医が断言。「60代が人生で“最高の夜”を味わえる」熟年離婚、卒婚で恋愛市場に参戦する中高年が増加中。熟年が青年に勝る“愛のスキル”とは?_6
すべての画像を見る

もし相手が経験を積んだ女性なら、はっきりとノーを突きつけられるでしょう。一方、相手を思いやるセックススキルの備わった50~60代には、相手も安心して身を委ねられます。

たしかに筋力が衰え、体力や勃起力が低下する中高年は、若い頃のようなアグレッシブなセックスはできなくなりますが、今は必要に応じてサプリメントやED治療薬、陰圧式の勃起補助具などを効果的に用いて、衰えをケアすることができます。ですから、体力はあってもスキルが不足しがちな青年に比べ、スキルがある50~60代=熟年のほうが、総合的にセックスの満足度を高められるのです。

#2『「EDは動脈硬化の初期症状」…女医が警鐘「ED=バイアグラ一択」は間違い!?  60代の2人に1人いる「現役組」に入るためのED対策とは』はこちらから

#3『熟年の“愛の作法”は「60歳で諦めるのではなく、60歳からいよいよ集大成となる」女医が教える、「中高年の性」を最高にする「型」の存在』はこちらから

『女医が導く 60歳からのセックス』 (扶桑社新書)
富永喜代 
2023年7月1日
1,056円
200ページ
ISBN:978-4594094850
「性」は「精」であり、「生」に通じる――
人生最高の夜は、60歳から


中高年の性生活に特化したYouTubeチャンネル『女医 富永喜代の人には言えない痛み相談室』が大人気の著者が導く、熟年ならではの性との向き合い方。

健康寿命が70歳を超えた人生100年時代。
中高年だからといってセックスを諦めるのは、もったいない!
熟年期の不安は「肌のぬくもり」が解消する。
これまで誰も教えてくれなかった中高年の【愛の作法】

人生最高の夜を迎えるための「熟年の【愛の作法】」とは――
amazon