「40代までは性欲がなくなることはないと思っていたが…」
アダルトメディア研究家としてエロや風俗カルチャーの歴史を追い、今年2月には『日本AV全史』を上梓した安田理央氏(55歳)。20代から多くのアダルト雑誌に関わり、AVや風俗について執筆してきた安田氏だが「最近、以前のように仕事への意欲がなくなっちゃって困ってるんだよね……。気づいたらチャットGPTに官能小説を書かせることに熱中して、1日が終わっちゃったり」と嘆く。詳しく話を聞いてみた。
「ふたりの子どもは成人していて、そのうちひとりは家を出たこともあって、以前のようにがむしゃらに働く必要がなくなったのも大きいかもしれない。
だけどそれ以上に深刻なのが、AV女優に対して性的な興奮を心の底から感じなくなってしまったこと。
性的興奮はアダルトな記事を書くときにはすごく大事で、特にビデオのレビュー執筆の場合、それがないと女優のエロさを読者に訴えかけられない。それなのに自分自身の心が動いてないから、書いていて後ろめたさを感じちゃうんですよね……」
仕事柄、風俗店などに行く機会も多かったが、「そこにお金や労力を使うのがなんかもったいないなという気分が強くなり、行かなくなった」という安田氏。
その代わりに自分に課していることはあるという。
「自慰行為だけは気づいたらやるようにしています。でもいずれはそれもなくなって枯れていきそうな気はしますが……(苦笑)」
このまま黙って枯れてしまっていいのか……安田氏はそんな問いに達観したように、こう答える。
「40代のころまでは、自分だけは絶対に性欲はなくならないと思ってたけどな。50代前半になって性欲の減退を感じて亜鉛やマカを飲みましたが、効果を実感せず。
さらにコロナ禍で家にこもる日々が続いて、失いゆく性欲も『こういうものだ』と受け止めるようになりました。
以前は風俗店のポイント集めにハマってたのに、今では妻とPayPayのポイント情報を共有するのが楽しみ。まぁ、皮肉なことに性欲がなくなった今が一番、夫婦円満ですね」
そう話す安田氏は性欲の壁を乗り越えようとはせず、壁沿いを歩いているといえるのかもしれない。