優勝賞金は5000万円
――デビュー戦のことは覚えていますか。
全く覚えていません(苦笑)。相手が誰だったのか、自分がどんな麻雀を打ったのか。まったく覚えていないんです。
最初の一年で覚えているのは、ミスをしたことと、そこまで叩かなくたっていいんじゃないの!? と思うほど、完膚なきまでに叩かれたことです。
――「モデルのくせに」「タレントのくせに」といった批判の声はすぐにSNSに溢れます。
見たくなくても、勝手に入ってきちゃいますからね。それでまた落ち込むという負の連鎖の繰り返しでした。
――どうやって、そのどん底から這い上がったんですか?
先輩から「麻雀は、雀力じゃなくてメンタルの競技なんだよ」という言葉をかけていただいたり、チームメイトから「麻雀は楽しく打たなきゃ意味がないよ」とか、「大事なのは、勝つことより楽しく打つことだからね」とか肩を叩いてもらって。
気がついたら変わっていたという感じです。
――今は?
批判の言葉は、まったく気にならないです。
――それだけ強くなったと。
麻雀を打ったら自分が一番強いとは思っていません。そういう自信はまだないです。でもこれまで自分がやってきた努力への自信はあるので、もっと勉強して強くなりたいと思えるようになりました。
――思いが実を結び、ひとつの結晶となったのが、2021-22シーズンの優勝でした。
昨シーズンは、ファイナルを前にチームメイトの沢崎(誠)さんが入院してしまったり、堀(慎吾)さんが、本番直前に骨折してしまったりと、とにかく紆余曲折があって感情が揺れる一年で。前半戦、なぜか私は全然勝てなかったですし。
優勝できたことは誇れることですが、それより沢崎さんに優勝を届けられたということの方が嬉しかったですね。
――優勝賞金は5000万円!! すごいです。
賞金額を聞くとみなさんそう言うんですが、あくまでもチームに対して支払われる額です。1年間チームとして活動するために、それくらいのお金は必要なので、個人に入ってくるお金とは違いますよ(笑)。