来年の箱根は「出ないといけない大会」

「最後の粘りとか辛抱っていうのが足りなかったのかな。泥臭いことは当然必要だし、やってきたつもりだったけど、“つもり”になっていたのかな……。

チームはいい状況だったけど、うまく機能しなかった。ということは、私の見立てが悪かったのかもしれません」

連続シード権が途切れ、中野監督は悔しさを募らせていた。

新シーズンは6年ぶりに箱根予選会からの出発となる。この予選会というのがなかなか厄介だ。

「予選会は“通ればいい”と考えていたら、足をすくわれることになる。ずっと出ていたチームでも、予選会で落ちることがありますから」

箱根経験者は、前回を含めると8人も残るが、中野監督は危機感をつのらせている。

「予選会を知っているのは、私とコーチぐらいしかいないので、甘く考えていてはダメ。
来年の100回大会は出られるか出られないかではなくて、出ないといけない大会。そして、上位校にチャレンジしたい」

今年10月の予選会には、抜かりのない準備をして臨むつもりだ。そして、再びシード校への返り咲きを狙う――。

取材・文/和田悟志
撮影/北川直樹