「ランチに1500円払うのが馬鹿らしくなった」
IT企業で働くエンジニアのDさん(28歳)は、妻と子どもの3人暮らし。現在は週3日の出社日に合わせ、うち週2回ほど弁当を持参している。
「弁当生活を始めたのは昨年の夏ごろ。リモートワーク中心だった働き方が変わり、出社する機会が増えたことがきっかけでした」
勤務先は豊洲や虎ノ門エリア。ランチ代は1000〜1500円ほどかかることも珍しくない。
「ランチに1500円払うのは、正直もったいないなって。そこで現在は前日の夕食を少し多めに作り、その一部を弁当にするのが定番になりました。
ハンバーグや肉料理など、その日の献立によって中身は変わりますが、1食あたりのコストは300〜600円ほど。体感では、外食と比べて毎食約1000円の節約になっています」
職場でも弁当派は少なくないそうだ。
「僕の周りだと7〜8人中3〜4人くらいは持ってきています。女性社員が多い印象ですね」
一方で、Dさんは「安ければ何でもいい」という考え方ではない。
「健康のために野菜を食べようと思うんですが、コンビニのサラダやサラダチキンはあまり好きではないので、低温調理器を使ってローストビーフを作るようになりました。数日に一度まとめて仕込んで、お弁当に入れています。せっかく食べるなら、自分がおいしいと思えるものを食べたいんです」
物価高の影響は感じているが、それでも、単純に食費を切り詰めるのではなく、限られた予算のなかで満足できる昼食を選んでいるようだ。
「いまではコンビニも、おにぎり一つ200円近くしますし……。それなら多少手間をかけても、自分で作ったほうが満足できますね」
それぞれ事情は異なるものの、共通していたのは、外食やコンビニで済ませる昼食を“当たり前の出費”とは考えなくなっていることだ。弁当箱の中身は、物価高時代を生きる20代会社員たちのリアルな家計感覚を映し出しているのかもしれない。
取材・文/逢ヶ瀬十吾(A4studio)













