44歳の父親もハマる、恐るべきシール
『ボンボンドロップ』というシールは、去年3月に株式会社クーリアから発売された商品で、ぷっくりとした立体感とつやつやした質感が特徴だ。同社の広報担当者は言う。
「昨年12月にサンスター文具株式会社と合同での企画でサンリオキャラクターズやディズニーやスヌーピーなどのシールを発売しました。以降、SNS上で多くの女性がスマホケースにデコって貼るのを発信してくださったんです。それがバズり、急激に人気が高まりました」
シールは「ドン・キホーテ」などのバラエティショップをはじめ、文房具店や家電量販店、そして「しまむら」などでも売られている。最近ではコンビニ各社も販売をスタートした。
しかし、どの店でも品切状態で入荷待ちが続いており、それどころか消費者が勝手にメルカリなどで転売を始める始末だ。小学4年生の女児を持つ母親は言う。
「今年7月頃から娘が『私もボンボンドロップほしい』と言い出して、ドンキ、しまむら、イオンにヴィレバンなど10店舗以上探し回ったけどまったく手に入らず、2冊目のシール手帳すら買えない状況にあります。
シール交換の取引そのものを『レート』と呼んでいるようです。例えば大きめなボンボンドロップ1個に対し、小さいボンボンを3個あげる、などです。早くに集め始めた子がやはり強いようで、娘はなかなか取引に参加できないみたい(笑)」
小学生や中学生の女子の間で『レート』といったワードを使うとは驚かされるが、この母親によれば「だからってトラブルが起きたこともないみたいです。それに明確にこのシールがこのレートって決まりがあるわけでもなく、女の子同士のコミュニティで、可愛いと判断されたものが“レートが高い”と見なされるみたいです」と、あくまで微笑ましく見守っているのだという。
また小6女児の母親は「うちは父親も巻き込まれています」と笑う。
「娘から『パパもシール帳買って集めて』と言われた夫がシール手帳を購入し、シールを集め始めました。最初は大人の行動範囲の広さと財力を駆使して、娘に『交換して』と言われたいばかりにムキになって集めてたんです。
44歳のおじさんがシール集めをしてハタから見たら怪しいですが、最初は娘の気を引きたいだけだったけど、今では『セブン-イレブンの[ちいかわ]ゲトッたよ〜』と嬉しそうに本気で言ってる姿を見て、ボンボン、恐るべしと思いました」













