日曜夜の枠に定着した『せっかくグルメ』
現在のバナナマン・日村の代表的な仕事のひとつが、グルメバラエティ番組『バナナマンのせっかくグルメ!!』(TBS系)だ。日村が全国各地を訪れ、「せっかくここに来たなら食べてほしい」料理を地元住民に聞き込み、紹介された店へ実際に足を運ぶ。内容はいたってシンプルである。
そのシンプルな番組を、ここまで強い人気コンテンツに育てた最大の理由は、日村という存在そのものにある。
日村はロケ先の住民に会うと、初対面でも老若男女を問わず相手のキャラクターを引き出し、場の空気を温めてからおすすめの店と料理を聞き出す。その後、店へ撮影許可の電話を入れる際には、「東京でバナナマンというお笑い芸人をやってる日村という者なんですけど……」と、おなじみのフレーズで名乗る。そこには、日村の腰の低さがにじむ。
目の前に運ばれた料理を、口を大きく開けて噛みしめるように味わいながら食レポをするのも、日村ならではだ。店員とのコミュニケーションを挟みつつ、豪快に平らげていく。
食べっぷりはダイナミックなのに嫌味がない。大食いを見せつけるのではなく、「うまいものを本当にうまそうに食べる人」として映る。だからこそ視聴者は安心して見ていられるし、家族で囲む日曜夜にもなじむのだろう。
この“日曜夜の番組”であることも、何より重要だ。
日曜夜は在宅率が高く、家族で見られやすいことから、民放各局にとって広告面でも極めて重要な時間帯とされる。そこには日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』やテレビ朝日系『ポツンと一軒家』といった強力番組が並び、長年にわたって視聴習慣を握ってきた。そんな枠に入っていき、定着することは並み大抵のことではない。
だが『せっかくグルメ』は、そんな日曜夜の枠ですでに6年以上にわたって放送を続けている。同番組が定着する以前のTBS日曜夜の番組は、約1年単位で入れ替わった時期もあった。そうした歴史を踏まえれば、この枠で生き残った功績の大きさも見えてくるだろう。



















