人気の回転ずし店や焼肉店では客数の減少が顕著

政府は2月26日、食料品の消費税率を2年間ゼロにする減税策などを議論する超党派の「社会保障国民会議(国民会議)」の初会合を開いた。高市首相は「丁寧に、スピード感を持って進めていきたい」と意欲を見せている。夏前の6月ごろに中間とりまとめを行ない、法案の早期提出を目指しており、自民党大勝の追い風を受けて成立に向けて勢いを増している。

一方、日本フードサービス協会は吉野家ホールディングスやサイゼリヤ、すかいらーくホールディングス、スターバックスコーヒージャパンなど外食大手が加盟する業界団体で、「外食産業政治研究会」という政治団体を通して主に自民党の活動を支援してきた。消費減税を議論する国民会議の前日に協会の久志本京子会長が会見を開いたのは、外食産業が置き去りにされることを牽制する意味合いも大きそうだ。

久志本京子会長(写真/一般社団法人日本フードサービス協会リリースより)
久志本京子会長(写真/一般社団法人日本フードサービス協会リリースより)
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久志本氏の会見の要旨はシンプルだ。スーパーやコンビニなどの総菜や弁当の消費税がゼロになり、飲食店の消費税が10%のまま据え置かれると、客離れが起こって飲食店の経営に重大な影響を及ぼすという。

同氏は回転ずしチェーン「がってん寿司」を中核ブランドとし、とんかつ、焼肉、らーめんなど多種多様な飲食店を展開する株式会社アールディーシーの会長も務めている。足元の飲食店の集客状況を肌で感じているのだ。

飲食業界では一部の業態ですでに客離れが起こっている。日本フードサービス協会によると、2025年の「持ち帰り米飯/回転寿司」の客数は前年比4%のマイナス、「焼肉」はおよそ2%のマイナスだった。この2つの業態はコロナ禍からの回復が早かったが、客単価が上がったことで客数の減少が顕著になってきた。

「かっぱ寿司」では2025年4月から1月までの既存店の客数が前年同期間比で10%以上も減少している。既存店とはオープンから一定の期間を過ぎた店のことで、新規出店効果を含まない本質的な客数を見るものだ。

倒産急増の焼肉業界で集客力が強く、一人勝ち状態だった「焼肉きんぐ」でさえ、2025年7月から2026年1月までの既存店の客数は3%近く減少した。