デジタルの仕組みを整えたマクドナルドは消費者への浸透がテーマに
強気の値上げを続けてきた象徴的な会社が「マクドナルド」だ。ただし、2025年はやや慎重な姿勢を見せた。3月12日に価格改定を実施し、ハンバーガーを170円から190円に引き上げたが、同じタイミングでハンバーガーを500円台で楽しめるセットをラインナップに加えた。
ハンバーガーとサイドメニュー、ドリンクMがついたセット価格は500円。10年ぶりにハンバーガーの500円セットが復活した。マクドナルドの3月の客数は前年同月比4.8%、4月は0.4%と増加しており、値上げをソフトランディングさせることに成功している。
度重なる値上げで、マクドナルドの価格が相対的に高くなっているのは間違いなさそうだ。
ハンバーガーのようなファーストフード・日常食の基準になるのが、国民食であるラーメンの価格動向である。総務省は小売物価統計調査で、各都道府県の県庁所在地や人口15万以上の市の「中華そば(外食)」の価格を調査している。
それによると、本格的な値上げが始まる前の2021年11月における各都市のラーメンの価格は606円で、2024年11月は692円、2025年11月は721円だった。およそ19%上昇している。
マクドナルドの2025年11月の客単価は2021年同月比で24%の増加だ。
2021年はビッグマックが390円だった時代である。この商品はリーマンショックが起こった2008年に一部地域で300円台になった。つまり、2020年に入ってもデフレ時代の影を引きずっていたわけだ。しかし、24%もの価格の上昇はその影響を加味しても力強い。
2025年3月の値上げでハンバーガーのセットを500円で販売していたことを考えると、ここからの値上げが綱渡りであることを相当意識しているはずだ。これ以上、単純な値上げを重ねるのは現実的ではないとすれば、顧客体験を向上させる取り組みが必要になる。
マクドナルドはモバイルオーダーやタッチパネル式注文端末の導入、駐車場で商品の受け取りができるパーク&ゴーなど、顧客のニーズに合わせたデジタルサービスをすでに進めている。しかし、それが消費者に浸透しているとは言い難い。モバイルオーダーがあっても、特に郊外型店舗を中心にドライブスルーが混雑しているからだ。
中期経営計画では3年間で100店舗以上の純増を計画しており、デジタルの浸透と店舗網の強化で混雑を解消。客数の増加へと繋げる取り組みが必要になりそうだ。













