「パンツ」疑惑も、安倍派会長候補報道にまんざらでもなく……

そんな高木氏だが、安倍派の後継会長選びを巡っては、6月に読売新聞で「萩生田、西村両氏が先頭に立てば、突出した存在になると警戒する向きもある。そうした中で、高木氏を会長に推す案も浮上している」と「高木会長案」も報じられたこともある。

「高木氏は『パンツ』疑惑もありますし、そもそも総理候補ではないので、最大派閥の長になったとしても『つなぎ』としかみられず、派内でのハレーションが少ないという利点はあった。ただ、高木氏は国会対策委員長として大した仕事もせず、国会会期中の平日も毎日のように、国会内のスポーツジムにのんきに通っていたような人物。

野党が立憲、維新などに細かく分かれ、力がないから法案を順調に通せていただけで、官邸との意思疎通がとれていない場面は何度もあった。そんな人物が会長になっても最大派閥をまとめる力はないので、そもそも高木会長案の実現性は乏しかった」(全国紙政治部記者)

それでも高木氏は、会長候補として自らの名前が挙がったことに喜びを隠しきれなかったという。

「高木氏は『パンツ』疑惑を念頭に『会長になったら過去のこともいろいろ書かれるやろうなあ……』と心配しつつ、『お前がやれと言われたときの、心の準備はできている』『高木派って言われるのも悪くないなあ』と、周囲にまんざらでもない様子で語っていた」(同)

高木議員(本人SNSより)
高木議員(本人SNSより)

そんな元会長候補・高木氏は、今年9月の党役員人事では交代させられそうになっていたところ、松野博一官房長官らに懇願し、なんとか国対委員長の続投を決めた。しかしそれもつかの間、安倍派事務総長として立件の可能性もささやかれる窮地に陥ることになった。

「『宮澤議員が、政治資金収支報告書にキックバックを記載しないよう、派閥から指示があったと認めているが?』と記者団に問われた高木氏は、うつろな様子で『確認をしておりませんので、その事実についてまだここで話をするに至っておりません』と答えるのが精いっぱいの様子だった。

高木氏とは長い付き合いの、お気に入りの女性秘書との関係もここに来て悪くなっているようで、秘書が知っていることを検察に洗いざらい話す可能性もある。まさに八方ふさがり状態だ」(自民党関係者)

国対委員長に就任した後は多数の番記者を引き連れて歩き、支援者に「私の番記者がこんなにいるんだよ」とうれしそうに語っていた高木氏だが、今やパーティー券問題を追及する記者に連日追いかけられる始末。19日の強制捜査を受けて「捜査に協力していく」と述べてはいたが、本心では何を思うのか……。

自民党本部
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班