「イナバ物置」のCMキャッチコピーが強い理由

こういう時間効率重視の世の中で、広告を作る側も正直苦心しているのだろう。

これは単純に広告会社のクリエイティビティが劣化したというようなものではなく、広告視聴習慣が劇的に変わる中で、まだ模索しているところというのが現実なのだと思う。

しかしそんな状況にあっても、何十年と使い続けられているCMキャッチコピーもある。

例えば、イナバ物置の「やっぱりイナバ100人乗っても大丈夫!」は、100人が実際に物置に乗っている映像・写真とともに叫ばれることで、一瞬で物置の丈夫さが理解できる。こういうものは媒体や視聴習慣が変化しても強い。

今は時流の変化でたまたま流行語がCMから出なくなっているが、きっとまた驚くようなフレーズがCMから出てくる時代は来ると思う。期待して待ちたい。

文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太