記者が実際にコオロギを食べてみた

そう言うと、小澤氏はおもむろに銀色の袋を開け、小皿にコオロギを並べた。乾燥したコオロギに味付けをした「未来コオロギオツマミ」(ワサビ味)という商品だ。

「よかったらどうぞ」とうながされ、一瞬躊躇したが百聞は一見に如かずと恐る恐る口に入れてみる。サクサクとした触感とワサビの風味がマッチしていて思いのほかおいしい。味や触感は桜エビに近い。

「香ばしくておいしいでしょ? 弊社が他の昆虫ではなくコオロギを扱う理由のひとつにはこの“おいしい”があるんです。
食用でもミルワームとかタガメとかとは全然違います。ミルワームもタガメも視覚的にも触感的にもわざわざ食べたいとは僕も思いません。特にタガメの本体は固いので内臓を食べるわけですが、食感もよくありません。
コオロギはご飯にふりかけてもおいしいし、お酒にも合いますよ」

小澤氏の言うとおり、たしかに実際に口にしてみると、味や触感は想像していたものとは違った。

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そのままの状態で食べるのが一番おいしい
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「コオロギは粉末にしたり、エキスにせずにそのまま食べるのが一番おいしい食べ方。弊社にも粉末や混ぜ込んだ商品はありますが、なるべくそのままのコオロギで食べてもらえるよう、これからもいろいろと商品開発をしていきたいです」

後編ではオフィスビル内にある「コオロギお菓子工場」でコオロギを加工する工程をレポートするとともに、SNS上で噂される「コオロギの危険性」や「食用コオロギ事業への多額の補助金」などについても、小澤氏にぶつけてみた。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班