2年後には昆虫食の世界市場規模は1000億円とも
MNHが展開するコオロギのお菓子やおつまみなどは販売開始から年々市場が広がり、当初と比べると売上はおよそ6倍になったという。
「きっかけは2020年5月に無印良品さんがグリラスさんと共同開発して発売した『コオロギせんべい』でした。それまでは『コオロギは棚に並べられない』と見向きもしてくれないお店が多かったのですが、あれを機に『コオロギって売ってもいいんだ』という発想になったお店が多かったと思います。
ただ、驚くほど利益が出るようになったというわけではなく、ようやく採算がとれるようになった程度です」
日本能率協会総合研究所によると、コオロギを含めた昆虫食の世界市場規模は2019年度の70億円から、25年度には1000億円に上ると予測する。
欧米はそのあたりの意識が早くも浸透しており、地域によってはコンビニにコオロギのお菓子が並んでいたり、スムージーやハンバーグなどにコオロギの粉末をふりかけてたんぱく源とする人たちが増えているらしい。一方、日本はというと……。
「コオロギが食品に混ざるとまだまだ異物混入だと大騒ぎになりますよね。市場規模が数十億円といわれても、肌感としてピンとこないのはそういう固定観念のせいだと思います。
1回食べてしまうとなんてことないんですけどね。もちろん食べたくない方が無理して食べる必要はないと思っていますが。
弊社ではタイやベトナム、カナダなど世界各国のコオロギを食べ比べて、中でもおいしいコオロギを使っています」