第1位:『サイコ』(1960年)
最後は古典から。言わずと知れた伝説的ホラー映画であるサイコシリーズの顔役、ノーマン・ベイツの名を挙げておこう。なお、ここから先の記述には同シリーズのネタバレを含むため、未見の方はご注意されたし。
アルフレッド・ヒッチコック監督作『サイコ』(1960年)、およびその続編『サイコ2』(1983年)、『サイコ3 怨霊の囁き』(1986年)、『サイコ4』(1990年)、ほかテレビシリーズのパイロット版として製作された『ベイツ・モテル』(1987年)などに登場する、世捨て人じみたモーテルの管理人が、ノーマン・ベイツ。
しかしその実態は、服装倒錯者(死んだ母親になりきるため)かつ二重人格者(ノーマン自身の気弱な人格と、支配的で暴力も辞さない母親を模した人格)。
一人二役でしばしば別人格と口論を行っているノーマンだが、〝息子の身の回りに若い女が現れたとき〟特に母親の人格が凶暴化・表出するようで、礼儀正しいモーテルの管理人はたちまち女装した連続殺人鬼になり替わり、訪れた客を血祭りに上げる。作中、シャワー中の犠牲者をナイフでメッタ刺しにするシーンなどは有名だろう。
とはいえ必ずしも絶対的に制御不能のやばい奴というわけではなく、少なくとも二作目では自らの罪を自覚した上で社会復帰に務めており、三・四作目でも比較的穏やかな暮らしぶりだったようだ。が、事あるごとに厄介な第三者の介入や珍事に遭い、そうしたやり直しが破綻しそうになるという、不運な人物でもある。
以上が〝やばい奴〟第2弾の5名である。
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取材・文/知的風ハット