第3位:『変態村』(2004年)

狂気・変態・残虐・超人、それぞれの〝やばさ〟を極めたキャラクターが出てくる「やばい奴映画」ベスト5_3

〝個人〟というよりも〝集団〟としての紹介となるが、ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督作『変態村』(2004年)に登場する村人たちのぶっとび具合も大したものだ。

芸事の地方巡業で移動中に、道に迷って立ち往生してしまった主人公。そこで遭遇した見ず知らずの男に招かれ、近くのペンションで一泊したのが運の尽き。ペンションのオーナーはあの手この手で話をはぐらかし主人公を長々と引き留めようとするわ、そのオーナーが「近寄るな」と忠告した近くの村では、村人たちが日中獣姦を行っているわ、あげくオーナーや村人たちは主人公を〝グロリア〟なる謎の女性と誤認して奪い合いを始めるわ(※主人公は男性)。

とにかく、主人公以外のあらゆる登場人物が正気を失っている状況。なお偶然この地に迷い込んだに過ぎない主人公は、〝グロリア〟として監禁され、頭髪を剃られ、さらにはオーナーや村人たちから性的暴行を受けるなどと、やばい奴らから散々な目に遭っている。

ちなみに本作、原題は『Calvaire(試練、苦難、キリスト磔刑の地)』。〝変態村〟なる、おどろおどろしい邦題とはカスリもしない単語だが、実際の本編を最後まで観たならば、なるほど原題の方がしっくり来る……と感じるかもしれない。

意外にも、案外アーティスティックな作品であることは確かだ。