野口みずきさんは、2016年に現役を引退した後、たびたびユーモラスな一面をのぞかせている。
2021年9月に放映されたテレビ番組『マツコの知らない世界』(TBS)に出演したときは、特に驚かされた。野口さんがヒップホップへの愛を延々と語っていたのだから。
こちら側の勝手な印象だけで「意外な一面を見た」というのは失礼なことだが、ストイックなイメージがつきまとっていた現役時代とのギャップに驚いたのは、筆者だけではなかったはずだ。
さらに、2022年9月に発売された著書『野口みずきの練習日誌』(ベースボール・マガジン社)の巻末には、お気に入りの曲をセレクトし、シーン別のプレイリストを公開。おまけのようなページにもかかわらず、野口さんの“音楽愛”があふれ出ている。
そこで、野口さんに音楽との関わりを尋ねてみた。
好きな男の子に影響された中学時代
――野口さんが、音楽を好んで聴くようになったきっかけはどんなことでしたか?
野口みずき(以下、同) 父が、洋楽をはじめ音楽が好きだったので、実家にはステレオが整っていて、レコードなんかもたくさんありました。それと、姉はサザンオールスターズや鈴木雅之さんが好きで、子どもの頃から実家では何かしら音楽が流れていたんです。だからですかね。
幼い頃にタイトルもわからないのに聞いていて、大きくなってからも耳に残っている曲があって、なんて曲だったのか探したりもしました。どこか宝物探しをしているような気分になるんです。
中学生になると、さらに音楽の世界が広がりました。好きな男の子がクイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』を好きだったり、英語の授業でビートルズを聴いたりしましたね。