アテネ五輪のレース中、脳内に流れた音楽とは

――失礼ながら、野口さんのイメージとヒップホップとがなかなか結びつきませんでした……。

皆さんに言われます、「ギャップが……」って(笑)。真面目に、歌謡曲しか聴いていないようなイメージなんですかね。全然そんなんじゃないです!(笑)

海外へ高地合宿に行くようになってからは、特にヒップホップを聞くようになりましたね。現地では『MTV』などの音楽専用チャンネルや『BET(ブラック・エンターテイメント・テレビジョン)』っていうチャンネルをよく見ていました。

『BET』ではラッパーのドキュメンタリー番組なんかも放映されていました。昔の人はすさまじい人生を送っているんですよね。それに比べると、今のラッパーはちょっとぬくぬくした感じですよね。昔の人は、銃弾を打ち込まれたりとかしていますから。

でも、ヒップホップに限らず、練習やレースのギリギリまで音楽を聴いていましたよ。集中できるし。走っている最中にも、頭に音楽が流れていました。

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――ちなみに、アテネ五輪でマラソンを走っているときは、頭の中にどんな音楽が流れていましたか?

レースの中盤ぐらいからいろんな曲が流れていたんですけど、印象的だったのは、サザンオールスターズの『君こそスターだ』、ラッパーのジョー・バドゥンの『パンプ・イット・アップ』、レニー・クラヴィッツの『カリフォルニア』の3曲ですね。

『君こそスターだ』は日本代表の応援歌。『パンプ・イット・アップ』は、映画『ワイルド・スピード X2』のエンディング曲で、初めてスイスのサンモリッツで合宿をしたときにテレビでしょっちゅう流れていて、頭にこびりついていました。

『カリフォルニア』はミュージックビデオがめちゃめちゃよくて、ずっと印象に残っていたんです。この3曲が頭の中を回っていたような気がします。