セーラー服おじさんが語る「学校教育×AI」の可能性

今年7月にスタートしたHey! Say! JUMPの山田涼介(やまだ・りょうすけ)が主演を務めるフジテレビ系ドラマ「ビリオン×スクール」。同作は、“ビリオネア(億万長者)”の主人公が高精度な「AI教師」を開発するため、身分を隠して教師となり、生徒とともに成長していく姿を描く学園コメディーだ。

同作で山田涼介が演じる主人公・加賀美零(かがみ・れい)は、将来的にAIが教師に成り代わると考えている。加賀美は超高精度動的教育用AIプログラム「ティーチ」の力を借りながら、学園のさまざまな問題を解決に導いていく。

そこで今回、自治体のイベントでAIについてレクチャーを行うなど、「AIエバンジェリスト」として活動する“セーラー服おじさん”こと小林秀章さんに、「AI化が進んだ未来の学校」について語ってもらった。

“セーラー服おじさん”こと小林秀章さん
“セーラー服おじさん”こと小林秀章さん
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––––将来的にAIが教師に成り代わることは、現実的にありえるのでしょうか?

小林秀章さん(以下、同) ありえますよ。AIって、ものすごくたくさんの知識を与えられ学習しているので、ほぼ何でも知っているんです。この前、医学部の難しい入試問題を解かせてみたら、しっかりと正解していました。

あと、AIは情報を上手に要約してまとめることができるので、「教える」ということにも長けています。その知識量やまとめ方は、現段階でもかなり高いレベルまできているんです。

今後「ハルシネーション」(AIが誤った情報を生成してしまうこと)さえ解決できれば、教育機関における学科の指導は、AIが行うことになると思います。おそらく、学校で教える科目は体育だけになり、生徒は体育の授業を受けるためだけに学校に行くようになると私は予想しています。

あるいは、学校全体が漫画喫茶の個室のようになり、体育以外の教科は AIの個別指導の下で自習する場になっているかもしれませんね。

教育現場におけるAIの可能性について語る小林秀章さん
教育現場におけるAIの可能性について語る小林秀章さん
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––––“AI教師”には、どんなメリットがあるのでしょうか?

もし将来的に“AI教師”が生徒一人ひとりに割り当てられたら、それぞれの理解度に応じて、一番いい方法で教えることができるようになります。そうすると、理解できた生徒はどんどん先に学習を進められるので、「小学生なのに、大学入試問題が解ける」という子が出てくるかもしれないです。

そもそも、1つのクラスの中にはさまざまな理解度の子が存在していますよね。だから、1人の先生がクラス全員に対して同じように教えるなんて、無理があるんですよ。

その点、AIで個別指導を行えば、「早く問題が解けて授業に退屈している子がいる一方で、問題がわからず、授業についていけていない子がいる」というような教育現場の問題を解決することもできます。

––––今後、AI化が進むかもしれない教育の現場において、“人間にしか教えられないこと”は何だと思いますか?

それは、生徒の心の悩みを解消したり、やる気を出させたり、生きる意味を見出してあげたりすることだと思います。

AIが勉強を教えるようになった場合、社会に適応するための方法や人としての生き方を教えることに、人間の先生の価値が置かれるようになるのではないでしょうか。